パラレルワールド・ラブストーリー 東野圭吾 あらすじ&感想
ネタバレ等含むことがありますのでご注意ください。
あくまで個人の感想です。
2022/5/15~2022/6/19
【あらすじ】
現実か妄想か。
過去か未来か。
二つの時間軸の物語が交互に書かれていて、
主人公崇史視点の二つの物語を同時に読み進めていくことになり、
親友の智彦、恋人の麻由子を中心に物語は進んでいく。
一つの物語は智彦と麻由子が恋人の物語。
崇史は二人の関係を応援しようとするが、次第に麻由子への想いを制御できなくなっていく。
もう一つの物語は崇史と麻由子が恋人の物語。
智彦は二人に何も言わずにアメリカ本社へ配属された。
その配属の裏には行方不明者がでたり、智彦と連絡がとれなかったりと、暗い影が。
崇史は二つの記憶の相違点や矛盾点に気づいていき、苦しむことになる。
二つの物語には驚くべき真実と関係が隠されており、
崇史、智彦、麻由子、三人の関係にも変化がおとづれる。
【感想】
時間があまりとれず読み終わるのに1ヵ月ほどかかりました。
脳科学や記憶についての少し難しい題材にはなるので、
近未来的な要素も含んでいて実際にそういったことができるのかも
楽しみな内容でした。
二つの物語が交互に進んでいくので話のつながりや時系列を捉えるのが難しかったですが、
最後には話がどんどんつながっていき、二つの物語の意味と関係が見えてきたときには
驚きと爽快感がありました。
話の初めは主人公崇史の現実と妄想が同時進行で書かれている話だと思って読み進めていました。
山手線で恋をした女性は麻由子なのか。そんな疑問を持ちながらの3人の関係は複雑にみえました。
麻由子への想いが抑えきれなくなっていき、どんどん行動がエスカレートしていく崇史はみていて辛かったです。
話の中盤では崇史の記憶が改竄されているような描写が増えていき、
崇史は智彦達の実験台になってしまった被害者のように書かれているように感じていました。
崇史が親友である智彦の恋人に恋をしてしまった時点で3人の関係は成り立たなくなっていて、
記憶を改竄してでも3人の関係を元に戻そうとした智彦や崇史の決意は心打たれるものがありました。