夏空の読書記録

日々、読んだ本を記録してまとめていこう

放課後 東野圭吾 あらすじ&感想

放課後
東野圭吾

ネタバレ等含むことがありますのでご注意ください。
あくまで個人の感想です。

2020/10/26~2020/10/29


【あらすじ】

主人公は女子高校で数学教師をしている前島。

前島は命を狙われる出来事に三回遭遇しますが、
学校に口止めをされていたため、警察には届けていませんでした。

そんなある日、更衣室で教師の死体が見つかります。

警察は他殺の可能性も考えて捜査をしており
前島も事件について調べていきます。

数日後の体育祭では新たな犠牲者も。
この事件の犯人は本当は前島を狙っていた?

犯人の動機は予想をしていないものでした。

最後数ページの展開は驚きのどんでん返しでした。

【感想】

東野圭吾さんのデビュー作。
期待して読み進めました。

前島の周りで起きた命を狙われる出来事については
理由や犯人が解き明かされた時には
予想していなかった事実にとても驚きました。

推理小説の醍醐味である事件のトリックは
図の描写があり、分かりやすく読めました。

様々のところに伏線が散りばめられており
後の伏線回収もしっかりしていて面白いです。

終盤のミスリードもすごいです。
特に前島夫婦については一番の驚きでした。

殺人の動機については、個人個人の価値観によって
それだけの理由でということも動機になりえてしまうのだなと感じ
いろいろと考えさせられました。

東野圭吾さんは本を読み始めるにあたって
最初に手に取った作品なので
そのデビュー作はとても感慨深く
面白く読むことができました。

あの頃ぼくらはアホでした 東野圭吾 あらすじ&感想

あの頃ぼくらはアホでした
東野 圭吾

ネタバレ等含むことがありますのでご注意ください。
あくまで個人の感想です。

2022/6/19~2022/7/26

【あらすじ】

東野圭吾さんの小学生から就職までについてのエッセイ。

怪獣やウルトラマンに夢中になっていた小学生時代のエピソード

荒れていた中学生時代のエピソード

熱血高校時代のエピソード

アーチェリー部での体育会系エピソード

就職活動でのエピソード

題名にもあるように、
あの頃ぼくらはアホでした
というエピソードが詰まっています。


【感想】

平成生まれの私にとっては経験していない日常が多いですが
映画や漫画に出てくる古き良き日本を思わせるエピソードは
くすりと笑ってしまうようなものになっています。

あの頃はアホだったなと思える、
当時は無心に全力で行っていた遊びや恋愛が
今は面白おかしくなっている素敵なエピソードが多々ありました。

その時代での当たり前や常識は今の常識とは違っていて、
そのギャップを考えると良い悪いはおいといて、
とても面白いなと感じました。

東野圭吾さんのような有名な方でもアホなことをたくさんしていて、
小説家になるまでの過程はよくあるエリート人生ではなく、
ところどころ自分と重ねて考えることができて、
親近感がわき、勇気が出てくる作品でもありました。

東野圭吾だんの作品はミステリーばかり読んできていたので
こういった作品に出会えて新鮮に感じられてとても楽しく読めました。

考え方 稲盛 和夫 あらすじ&感想

考え方
稲盛和夫

ネタバレ等含むことがありますのでご注意ください。
あくまで個人の感想です。

2022/6/21~2022/6/22

【あらすじ】

京都セラミック株式会社(現・京セラ)の設立者、稲盛和夫さんの著書。
仕事や物事についての考え方を記している。

【感想】

ひとつひとつの章がそこまで長くないので、とても読みやすいです。

エピソードも実体験の成功体験が多いので、
今何かを始めたいと思っている人にはおすすめできると思います。

印象に残った言葉やエピソードをいくつか紹介します。

自分の境遇を変えることはできません。
自らの外にばかり不幸の要因を求める限り、
心のうちは永遠に満たされることはないはずです。
一方、恵まれない境遇であったとしても、
勤勉に働くことさえできれば、幸せをつかむことができます。

偉大な業績を成し遂げた人は、やはり心から仕事を愛しています。
それは、好きな仕事に就くことができた幸運な人か、
あるいは気持ちを切り替え、好きではなかった仕事を、
好きにしていった努力の人です。

現実のマラソンではともかく、人生や経営では、
百メートルダッシュのスピードで走り続けることは、
決して不可能なことではないのです。

どの言葉やエピソードも、
仕事に対して真摯に考え、
とにかく努力して行動をすることの大切さを教えてくれます。

何かを始めるときに背中を押してくれる一冊になっていると思います。

 

パラレルワールド・ラブストーリー 東野圭吾 あらすじ&感想

パラレルワールド・ラブストーリー
東野圭吾

ネタバレ等含むことがありますのでご注意ください。
あくまで個人の感想です。

2022/5/15~2022/6/19

【あらすじ】

現実か妄想か。
過去か未来か。

二つの時間軸の物語が交互に書かれていて、
主人公崇史視点の二つの物語を同時に読み進めていくことになり、
親友の智彦、恋人の麻由子を中心に物語は進んでいく。

一つの物語は智彦と麻由子が恋人の物語。
崇史は二人の関係を応援しようとするが、次第に麻由子への想いを制御できなくなっていく。

もう一つの物語は崇史と麻由子が恋人の物語。
智彦は二人に何も言わずにアメリカ本社へ配属された。
その配属の裏には行方不明者がでたり、智彦と連絡がとれなかったりと、暗い影が。

崇史は二つの記憶の相違点や矛盾点に気づいていき、苦しむことになる。
二つの物語には驚くべき真実と関係が隠されており、
崇史、智彦、麻由子、三人の関係にも変化がおとづれる。

脳科学を題材にしたパラレルワールド・ラブストーリーは必見。


【感想】

時間があまりとれず読み終わるのに1ヵ月ほどかかりました。

脳科学や記憶についての少し難しい題材にはなるので、
近未来的な要素も含んでいて実際にそういったことができるのかも
楽しみな内容でした。

二つの物語が交互に進んでいくので話のつながりや時系列を捉えるのが難しかったですが、
最後には話がどんどんつながっていき、二つの物語の意味と関係が見えてきたときには
驚きと爽快感がありました。

話の初めは主人公崇史の現実と妄想が同時進行で書かれている話だと思って読み進めていました。
山手線で恋をした女性は麻由子なのか。そんな疑問を持ちながらの3人の関係は複雑にみえました。

麻由子への想いが抑えきれなくなっていき、どんどん行動がエスカレートしていく崇史はみていて辛かったです。
話の中盤では崇史の記憶が改竄されているような描写が増えていき、
崇史は智彦達の実験台になってしまった被害者のように書かれているように感じていました。

崇史が親友である智彦の恋人に恋をしてしまった時点で3人の関係は成り立たなくなっていて、
記憶を改竄してでも3人の関係を元に戻そうとした智彦や崇史の決意は心打たれるものがありました。